国綱は山城国の粟田口、現京都市東山区で作刀していた粟田口派に属する刀工です。
流派を名に粟田口国綱と呼ばれており、天下五剣の1振の鬼丸国綱を鍛造した人物としても知られます。
鬼丸国綱は皇室が私有する御物ということもあり、一般に向けて公開される機会は非常に限られます。
ただ、東京国立博物館を始めとした展示会において公開されたケースはあります。
粟田口国綱は、粟田口派の流祖で粟田口国家の6男として生まれました。
いつ生まれたかは分かっていませんが、少なくとも本名が林藤六朗なのは確かです。
また官位の左近将監を受領していること、後に左近入道と号したことも記録に残っています。
粟田口では典雅な作風でしたが、建長年間以降は、鎌倉に出向いたのを切っ掛けに華やかかつ豪壮な作風へと変化しました。