日本刀とソードとでは、「突き」を巡って違いが現れます。日本刀はその細さと薄さの割には、少々の突きで刃先が折れてしまうこともありません。しかし歪むことは避けられず、被覆した皮金の助けを借りなければ現状を保つことも儘なりません。他方、ソードの、突きに対する強靭さは確かなものです。それもそのはずで、西洋では兵士は皆鎧を纏っていましたから、突き刺して仕留めるのが一般的な戦法でした。ソードはその戦法に合わせて造られていたのです。
日本刀の良さは切れ味に出るものですから、斬り合いだけなら日本刀は世界に冠たる刀だと言えるでしょう。しかし刀には厚さが求められる時もあります。その場合はソードが勝ることでしょう。日本刀と日本刀とが叩き合えば、ソードのような頑強さを見せることはできなくなります。但し、素材の硬度自体は、実はソードの方が低いと言われています。またソードも多種多様で、レイピアのような剣は厚さもなく、日本刀よりも頑丈だとは言えないでしょう。
刃の耐久性については、両者の比較が難しいと言わざるを得ません。確かに日本刀は刃の欠けにくい刀ですが、万一欠けてしまうと使い物になりません。それに対してソードは、少し欠けたくらいなら問題なく使用できます。ソードの使い方からしても、刃こぼれの影響を受けることはあまりないのです。日本刀がそうした「欠け」に弱いのは何故でしょうか。それは、日本刀が斬ることで本領を発揮する刀だからです。欠けるたびに研ぐ必要があるのもそのためです。