日本刀は確かに切れ味に秀でており、その意味では強いのですが、分厚いソードと比べれば刀身は細身であり、別の剣と叩き合えば折れる可能性すらあります。
ですから強度の面ではソードに軍配が上がりますが、素材そのものの硬度は日本刀の方が優れており、またソードもレイピアなどは貧弱ですから、ソードの頑丈さを絶対視するのも危険です。
刃持ちに関してはどちらが優位とも言えません。
刃こぼれしにくいのは日本刀の方ですが、ソードは多少の刃こぼれを負っても、戦いの場であまり影響しないからです。引き切ることが目的である日本刀は、刃こぼれが続くと研がなければなりません。
しかしソードは叩き切ることを目的としますから、刃がこぼれたまま押し切ってしまえば問題ないのです。
さて両者の性能から一変して、今度は生産性を比較します。
生産性については多くの方の推察通り、日本刀に勝ち目はありません。玉鋼を作ることに始まり、何度も叩き伸ばして刀身を完成させます。
おまけに鞘や柄といった部位まで丁寧に拵えるため、完全体のお目見えまで一か月を要するとされています。それに対してソードは鋳造が製造の基本スタイルなので、量産が可能です。強度保持のために必要な工程として剣の中心に芯金を入れましたが、その工程を含めてもそれほど手間取ることはありませんでした。
ところで日本刀の中には途中の工程を省いた量産品も存在しますが、ここでは比較の対象としません。