鞘の役目

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鞘の役目

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鞘を作る職人を鞘師といいます。

鞘というのは刀を収める入れ物のことですが、これには二種類あります。
「拵」と呼ばれる装飾を施したものと、刀を休めるための「白鞘」です。

 

「拵」は武士のファッションアイテムということで、鞘を派手に装飾したものもありました。
「白鞘」というのは、刀を保管する鞘です。なんとこの鞘は汚れたときに掃除ができるように米粒でつくった糊で張り合わせてあると言います。
拵をした鞘は装飾が華美になっていったために、通気性も極めて悪く、錆がでてしまいました。

「拵」で一定期間、携帯していたら「白鞘」で休ませるというふうに使い分けていたそうです。

鞘に装飾をするのが塗師の仕事です。拵としての鞘を美しく飾ります。
蒔絵をあしらったものもある鞘ですが、基本的に漆を塗りつけます。
漆は防水性に優れています。一方で通気が悪いので、錆など刀に負担をかけてしまいます。
漆は、和紙でろ過して不純物を取り除きます。これは上質な漆を作るために大切な作業となります。
漆を塗るといっても、これはとても時間と技が必要なことです。
塗っては乾かし、塗っては乾かしの繰り返しです。その間に「研ぎ」が入り、この根気のいる作業の末に鞘には漆が何層にも塗り重ねられることになります。

「艶付け」といって艶を出すための漆を指で塗って、これも何度も繰り返します。
ここから蒔絵をあしらってほしいという注文にも応えていきます。

 

蒔絵は、家紋や花鳥風月、動物をあしらったものが多く、美術品としての日本刀の価値を高めるものとなるのです。
鞘の作成期間は3ヶ月近くかかるそうです。武器でありながら美術品となった日本刀。

現在、博物館で見ることができる日本刀は、美術品として素晴らしい輝きを放っています。
鞘師や塗師の職人技があってこそですね。

 

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